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比江山神社


2004年12月17日


新改の熊野神社の辻にこのような標柱がぽつんと立っています。
「比江山掃部介親興公妻子の墓」と書かれ、左側には「比江山神社」(かもんさま)南へ200mと書かれています。
南方を見渡しても何もありそうもありません。すぐに新改川に行き当たってしまいます。


ところが、新改川の川岸にたどり着くと右に道は折れ、川沿いに少し進むとこの木立が見えてきました。


少し回り込んで木立を西側から写しています。
小さな鳥居が見えています。新改川の上に水路があります。


鳥居をくぐり祠の前に来ました。賽銭箱と鈴があります。
土佐山田教育委員会による説明板もありました。


手作りらしくかわいい比江山神社の額が架かっています。


賽銭箱の後ろには明和元年(1764)と刻まれた石碑がありました。
「土佐の墓」によると、これには「比江山掃部介室 並 二子墓」と刻まれているそうです。
掃部介親興は長宗我部元親の従弟で、長男信親が戸次川で戦死した後の跡継ぎ問題で、久武親直
の意見により元親は四男を跡継ぎにしようとするが、親興は三男を推し、元親の怒りを買い自刃した。
その妻子はこの新改の寺に隠したが追っ手に迫られ主従と寺の僧侶もともに7人が自害したという。
そして「7人みさき」の伝説も語られてきたらしい。


祠の横には五輪塔の一部が集められていました。
7人の供養のものでしょうか?


最近の歌碑も建てられていて、地元では大切に扱われていることがわかります。
「7人の御霊安かれ新改の紅き椿に風の音聴く」 和子

2013.02.26
神社の前には向こう側に新改川が、手前には甫喜ヶ峰疎水が流れています。

比江山掃部介室の墓は山本泰三著「土佐の墓」に掲載されています。

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