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岡御殿


2002年3月9日に訪問しました。

山内のお殿様が参勤交代の時に本陣としていた屋敷を修復し、一般に公開しています。
田野五人衆の一人で豪商として知られた岡家の敷地内には茶の間や土蔵、御成門があります。
県の有形文化財です。
人の来ない平日に、一人ゆっくりと尋ねるといい場所です。
また、案内の人も素朴な地元の人情を感じさせます。


岡御殿の玄関門と塀です。
田野五人衆とは、岡家、安岡家、弘松家、田中家、渋谷家
の五家で、土佐藩の御用銀を調達するほどの田野を代表する豪商たちです。
藩からは苗字帯刀、独礼御目見を許されていました。


玄関を入ると置いてあるベルを鳴らします。
案内人が奥から出てくる間にこの案内図を見ます。
また、その周囲にはさまざまな資料が置いてあります。


始めに通される座敷にはべんがら漆喰壁の床の間があり、
次の間との間には狩野派の描いたふすまがあります。


次の間には殿様がここから庭の景色を楽しんだのではと思われる位置にざぶとんが・・・。
案内の方にお聞きしたら、座ってもいいそうです。


広い縁側は内と外の二重になっています。 
また、軒の垂木は視線を邪魔しないように玉座を中心として放射状につけられています。


室内の柱と、軒を支える二本の柱は玉座からは一本に重なって見えます。
また、後の欄間は細かい組子細工がなされています。


 小窓からの景色も楽しめます。


縁側から東北側の庭のようすです。


殿様が駕篭に乗ったまま入ってきたであろう大きな御成門。


松の大木越しに美しい曲線を持つ屋根を見る。
当時は樹齢300年の松があり、通りの上まで覆い被さり、通りは昼でも薄暗かったそうです。


 屋敷裏には道具を収納していた蔵があります。
岡家は材木業に始まり、回船業、酒造業、質屋業、地主経営などさまざまな商売をしていました。


内部は二層になっていて、当時の岡家の生活道具を展示してあります。

(2012.05.25)
左から茶臼、茶弁当、すごろくです。文化レベルが高かったことが覗われます。


左から行器(弁当入れ)、徳利、薬箱です。
行器のふたには家紋があります。また、徳利の一入は屋号です。


面白いものでは月代盥(さかやきたらい)がありました。まだ他にも沢山の道具がありました。
実際に客用や生活に使われていたという道具類は興味の尽きないものでした。

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