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高知坐(たかちにいます)神社


2013年2月14日(木) 延喜式内社 南海道土佐二十一坐の一つです。

国道56号線の平田交差点から南に500mほど進むと、右手に平田小学校、左手には中筋川の堤防の対岸に工業団地の終端部が見え、森に続いています。
この森に高知坐神社があります。
ちょうど中筋川に注ぐ小河川との合流点になっていて、方向の異なる2つの橋を渡ることになりますので、車で訪れる方は注意して運転してください。


訪れた時、ちょうど外出から戻られたばかりの禰宜さんが、愛想良く迎えてくれました。


祈祷でも参拝でもなく、見学させてもらうだけですと伝えたのですが、社務所での宮司さんの熱心な説明
だけでなく、禰宜さんにはこの石段を一緒に上がり、ご神木や社殿の説明をして頂きました。


境内のイチイガシが上に広がっている様子です。カメラは真上向いています。

看板によると樹齢は推定400年、胸高直径135cm、樹高は29mです。昭和38年7月に宿毛市
天然記念物に指定されています。おそらくその時のデータでしょうから、もう少し樹高は高くなって
いるかもしれません。
看板には続いて、「高知坐神社は、波多の国造が祀った社で、祭神は賀茂系の神とされる。本殿
は高知県有形文化財の指定を受けており、一条房基の造営を示す天文13年(1544)の棟札がある
古い社であり、地区民は農作物の豊作祈願の祭りを行うなど、親しまれている。
このイチイガシは社叢内で最大級の木であり、神社林の主木的存在である。
保存管理者:高知坐神社・高知県緑化推進委員会」となっていました。

人間は約100年しか生きられませんが、樹木は数百年も千年も生きるのですよね。


高知坐神社の社殿正面です。拝殿、弊殿はシロアリの被害を受け、昭和になって修復がなされています。
奥の本殿脇左右に脇宮が並んでいます。

高知坐神社は土佐国21社の延喜式内社であり旧郷社です。
御祭神は都味歯八重事代主神 大國主尊 素盞鳴尊です。

社名の高知を「たかち」と読むのは、同じ都味歯八重事代主神を祀る大和國高市にある波多神社と
関係があるのではとされています。

そういえば、高市には羽田氏がいてもともとは波多氏であったとか、波多氏は武内宿禰の長男で
ある波多八代宿禰を祖とするとか、ネットは便利ですねー。


向拝にかかる高知坐神社の額です。


向拝の屋根を支える柱や梁には、彫りは浅くあっさりと彫刻が施されています。
有形文化財の本殿は保存のため鞘殿に覆われているので撮影できませんでした。


左右の宮には地域の氏神様が境内社として祀られています。
右宮には、
柴折神社:下駄場地区の氏神様
仁井田神社:橋田、奥黒川、岡松地区の氏神様
大船神社:橋田、西須賀地区の氏神様
飛龍神社:上駄場地区の氏神様


左宮には、
聖神社:北川地区の氏神様
皇太子宮:寺尾地区の氏神様
曾我神社:師高瀬、森、車岳、徳師、清水地区の氏神様
天満宮:沖前地区の氏神様

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